知らないうちにブラック企業?

金融庁のHP、平成25年12月26日付に発表されている「反社会的勢力との関係遮断に向けた取組みの推進について」の中に警察庁が保有する暴力団情報について、銀行からオンラインで照会できるシステムを構築するため、金融庁、警察庁及び全国銀行協会の実務担当者の間における、情報漏洩の防止の在り方を含めたシステム構築上の課題の解決に向けた検討を加速する。』とあるが、この意味を知っている人はどれくらいいるでしょうか。

従来、金融機関は自らの顧客データによって、融資の申請案件などの審査をしてきました。グループ内での情報共有くらいはしても、他の機関と情報を共有するということはありません。

その結果、ある企業が融資を申請してもA銀行では融資を断られても、B銀行で通ったというような話が聞かれました。これは審査のデータベースが違うというのが大きな理由になります。

もしも、金融機関すべてが同じデータベースを利用するとなると、審査が通らない会社はどこへ行っても融資が受けられなくなります。

過去に暴力団を中心とする反社会的勢力と関係があったというような企業は実際は何もなくとも、「疑わしきは取引せず」の原則に従ってどこも相手にしません。そして、今回の発表の怖いところは、警察庁のデータをそこに融合させるというところにあります。

例えば、助成金詐欺などに社印が押された書類が使われたような会社は「協力者」「密接交際者」という烙印を押されてしまう可能性があります。その印が、泣き落としや脅しで仕方なく押したものだろうと、又は経営者は一切知らないところで押されたものだとしても。証拠として存在している限り、警察のデータベースにはしっかり残っています。

ブラック、又はグレーな会社として登録されてしまえば、融資を断る理由を説明する義務のない金融機関は「申し訳ありませんが今回は審査が通りませんでした。」でお終いです。